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皆さんはこれまで両足を平行に開いた「基本立ち(平行立ち)」による稽古を重ねてきたわけですが、ここからは両脚を前後に開いた「組み手立ち(組み手構え)」の稽古に入ります。

なぜ「組み手構え」が必要なのかといいますと、実際の闘いの中で「お互いが棒立ち(平行立ち)になって」闘うことはまずあり得ないからです(例外はもちろんありますが)。殆どの場合は前後に両脚を開いた状態で(しかも動き回りなら)闘うものなのです。

下の写真(a),(b)を見ていただくとお分かりのように、両者の脚は見事に「棒立ち」になっていますが、この情景からは「なにか生きていない感じ」「不自然な感じ」を感じ取ってもらえるかと思います。それに比べて、両者が脚を前後に開いている(c)の写真からは「生きている感じ」「自然な感じ」を受けてもらえるのではないでしょうか?

(a)
(b)

(c)

基本立ち(平行立ち)による稽古で十分に掴んだ「床から跳ね返ってくる力を拳に伝える感覚」を、より実践的な「組み手構え」に変換させるのがこのページの狙いです。



構え方


基本立ち(平行立ち)から片足を後ろに引いた構えが「組み手構え」です。後ろに引く脚はあまり後ろに引き過ぎず、前方から見た左右の足幅は肩幅程度にします(「剣」の立ち方と違い両脚は前後に重なりません)。後ろ足のつま先は斜め45度前方を向き、前足のつま先は正面を向きます。
左脚を前に置くのが「右構え」、右脚が前になるのが「左構え」といいます。「左が前なのに右構えなの?」と不思議に思われるかもしれませんが、その理由はこうです。後ろに構えた手足の方が、相手との距離が長い分だけスピードを乗せることができ、威力が増します。ということは、後ろに構えた手足が主(メイン)武器となるのです(中国武術は前に構えた手足が主武器の場合が多いですが)。つまりこの構えの名称は、「主武器がどちらか」という観点から付けられたものです。

(注)この名称は、主に打撃系格闘技・武道(ボクシングや空手)で使われているもので、他の武道では用い方が逆の場合があります。(例/剣術・合気道等では右手右足を前に構えたものを右構え(右半身)といいます)

組み手構え(正面)
右構え
左構え


組み手構え(側面)
右構え
左構え


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突きの種類(手足との関係)


先ずは「前に構えた手」でパンチを撃つのを「順突き(じゅんづき)」といいます。そして「後ろに構えた手」で撃つパンチを「逆突き(ぎゃくづき)」といいます。

順突き
逆突き

「構え方」の項で述べた通り、後ろに構えた腕の方が威力を出し易いですから、初心者にとっては「逆突き」を身に付ける方が容易です。その反対に、「順突き」に威力を乗せる(アクションで言えば「格好良く撃てる」)ためにはかなりの熟練が必要とされます。


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勁(けい=ちから)の伝達


「基本編/パンチ」の項で、パンチの威力は、「足のつま先で床をグイと踏み込み、<床から跳ね返って来る力>を拳に伝えることから生まれる」と書きました。
スローモーションで何度も練習していると「順突き」・「逆突き」のどちらの場合でも、つま先から脚を伝い昇ってくる「ある力の流れ」に気付くはずです。その「流れ」は、さらに腰裏を通り、背中を伝って肩、腕にまで到達することでしょう。この「力の流れ」に、中国武術では「勁(けい)」という概念を当てて、単純で雑な「力」と区別しています。ここでご紹介する「順突き」・「逆突き」の勁は、数多(あまた)ある中国武術の勁と比較すれば非常に素朴なものですが、洗練された「突き」を身に付けるためには是非知っておいて頂きたい「考え方」の一つです。


順突きの勁(一般的な例)
「順突き」の勁は前足のつま先で床を踏み込むことから生じ、前脚を伝い昇り、腰の中、脇腹、肩、腕へと連絡します。

順突きの勁路
前脚を内側に「ひねり込む」と効果的です


逆突きの勁(一般的な例)
「逆突き」の勁は後ろ足のつま先で床を踏み込むことから生じ、後ろ脚を伝い昇り、腰裏、背中、肩、腕へと連絡します。

逆突きの勁路
後ろ脚を内側に「ひねり込む」と効果的です


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ストレート(逆突き)


「組み手構え」になって、先ず習得しなければならないのが、この「ストレート(逆突き)」です。アクションの振り付けの中で、「とどめの一撃(笑)」として最も多く使われるのが、この「ストレート(逆突き)」だからです。また、前にも述べた通り、比較的学び易い技でもありますから、初心者が最初に取り組むのには最適な技とも言えます。

正面から見た「ストレート(逆突き)」


やり方

    • 組み手構えから、前脚を出している方向に腰を切り、体軸を水平回転させます。
    • それと同時に「後ろ脚のつま先」をグイと踏み込んで、「床からの力」を脚から腰裏に伝えます。
    • 腰で増幅された力を背中から肩に伝え、後ろに構えている腕の肘から拳へとその力を伝えながら、正面あごの高さに拳を突き出します。この時拳は手の甲が上を向くまで捻り切ります。
    • 撃っていない前手は、顎の横に構え、敵の攻撃に備えます。

    • 撃ち終えた後は、素早く腰を逆回転させて元の構えに戻ります。

アニメはこちら
約330KB


同じ腕で20回ほど撃ち込んだら、構えを逆に替え、同様に撃ち込みます。

左構えの「ストレート」


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ワン・ツー


いよいよ「連続技」の練習に入っていきます。連続技の初めは「ワン・ツー」からです。「ワン・ツー」とは、一撃目に「順突き」を、続けて「逆突き」を撃つ技のことですが、最初は焦らずに、「順突き」と「逆突き」を明確に意識しながら行ってください。慣れてくれば、まさに「ワン・ツー!」と一挙につなげられるのですが、最初からスピードを上げて練習しては、こぢんまりした、見栄えのしない技になってしまいます。

正面から見た「ワン・ツー」


やり方

      順突き

    • 組み手構えから、後ろ脚の方向にわずかに腰を切り、体軸を水平回転させます。
    • それに合わせて前脚のつま先で床を踏み込み、同時に前脚全体をやや内側にひねって上体へ向かう力を生み出します。
    • その力を脇腹から肩に伝え、前に構えた腕の肘から拳へと伝えながら正面あごの高さに拳を突き出します。この時拳は手の甲が上を向くまで捻り切ります。
    • 後ろ手は、顎の横に置き、敵の攻撃に備えます。
    • 撃ち終えた後は、素早く腰を逆回転させて元の構えに戻り、二撃目の「逆突き」に備えます。

      逆突き

    • 一撃目「順突」の腰の戻しと同時に「逆突き」を放ちます。
    • 撃ち終えた後は、素早く腰を逆回転させて元の構えに戻ります。

アニメはこちら
約470KB


同じ「構え」だけで10セット程撃ち込んだら構えを逆に替え、同様に撃ち込みます。

左構えの「ワンツー」


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上段受け〜ストレート


ここからは、いよいよ「受け技」と「パンチ」のコンビネーションです。アクションの「振り付け」でも必ず出てくる必須のパターンですから、しっかりと身体に馴染ませて下さい。最初は「上段受け〜ストレート」。敵の上段への攻撃を払い上げ、一気にストレート・パンチで反撃するわけですが、これも「ワン・ツー」と同様、初心のうちは一つ一つを丁寧に、明確に意識して行うことが肝要です!

正面から見た「上段受け〜ストレート」


やり方

      上段受け

    • 組み手構えから、後ろ脚の方向にわずかに腰を切り、体軸を水平回転させます。
    • それに合わせて前脚のつま先で床を踏み込み、同時に前脚全体をやや内側にひねって上体へ向かう力を生み出します。
    • その力を脇腹から肩に伝え、前に構えた腕の「前腕を撥(は)ね上げる力」に変換します。
    • 前手の拳が自分の中心から外にはずれないよう頭上に構え、「上段受け」を完成させます。
    • 後ろ手は、顎の横に置き、敵の攻撃に備えます。
    • 受けた後は、素早く腰を逆回転させて元の構えに戻り、二撃目の「逆突き」に備えます。

      逆突き

    • 一撃目「上段受け」の腰の戻しと同時に「逆突き」を放ちます。
    • 撃ち終えた後は、素早く腰を逆回転させて元の構えに戻ります。

アニメはこちら
約430KB


同じ「構え」だけで10セット程撃ち込んだら、構えを逆に替え、同様に撃ち込みます。

左構えの「上段受け〜ストレート」


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下段払い〜ストレート


「受け技」と「パンチ」のコンビネーション第二段は「下段払い〜ストレート」です。敵の下段への攻撃を前腕で払い落とし、一気にストレート・パンチで反撃する技です。「受け」と「攻撃」を丁寧に、明確に意識して稽古することは「上段受け〜ストレート」と同じです。

正面から見た「下段払い〜ストレート」


やり方

      下段払い

    • 組み手構えから、後ろ脚の方向にわずかに腰を切り体軸を水平回転させます。
    • それに合わせて前脚のつま先で床を踏み込み、同時に前脚全体をやや内側にひねって上体へ向かう力を生み出します。
    • その力を脇腹から肩に伝え、前に構えた腕の「前腕を斬り降ろす力」に変換します。
    • 前手の拳が自分の中心からあまり外にはずれ過ぎないよう腰の横に構え、「下段払い」を完成させます。
    • 後ろ手は、顎の横に置き、敵の攻撃に備えます。
    • 受けた後は、素早く腰を逆回転させて元の構えに戻り、二撃目の「逆突き」に備えます。

      逆突き

    • 一撃目「下段払い」の腰の戻しと同時に「逆突き」を放ちます。
    • 撃ち終えた後は、素早く腰を逆回転させて元の構えに戻ります。

アニメはこちら
約430KB


同じ「構え」だけで10セット程撃ち込んだら、構えを逆に替え、同様に撃ち込みます。

左構えの「下段払い〜ストレート」


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